高校野球は今年も熱戦が続いていますね。
大逆転で話題になった星稜高校の合言葉は「必笑」とか。
「笑えば前向きになれる」と、昨冬みなで考えたのだそうです。
それでも3回戦で敗れたときには、みんな泣いていました。
笑っている選手なんて、ひとりもいません。
一生懸命がんばってきたからこそ、負けたらむちゃくちゃくやしいに決まっています。
くやしかったら泣く。
あたりまえです。
気がすむまでとことん泣いたら、笑顔で再チャレンジできる日が必ずやってくる。
それもまた、「必笑」なのだと思います。

子育て中のママから、「子どもにひどい言葉を言ってしまう」「つい叩いてしまう」というご相談をよく受けます。

「母親はいつも太陽のように、輝く笑顔でいなくちゃ」と思いながら一生懸命がんばっているのだけれど、疲れがたまってきてイライラがピークになると、どうにもコントロールできなくなって・・・

すごく後悔して、自分を責めて、10数えて深呼吸して、笑顔をつくって子どものところへもどるけど、でも気持ちはちっともスッキリしていなくて・・・
どうしたら気持ちを切り替えられるのでしょうか?

そんなお話をうかがって帰った日、ニュースで星稜高校の選手たちの涙の映像を見て思いました。
ここで笑う選手がいたら、ヘンなのと同じように、
母親がいつも笑顔でいたら、ヘンだよ!

わからんちんで、ちっとも言うことを聞かない意欲満々の子どもたちと一日過ごせば、イライラすることや腹の立つこと、悲しいことやくやしいことは次から次に起こるのですから、いつも笑顔でいることなんてできっこありません。
ネガティブな感情を「感じてはいけない」と無理やり抑え込んでも、その感情は無意識の引き出しにしまわれて、消え去ることはありません。容量を超えればあふれるし、ちょっとした刺激で飛び出してしまうことも多い。
アナ雪のエルサが、Let it go! と高らかに歌うシーンが象徴しているように、「ネガティブな感情を、私は今感じている」という事実をありのままに認め、表現することこそが、その感情の支配から解放され、他者を傷つける行動をコントロールできるようになる唯一の方法なのです。
感情に 良い・悪い はなく、感じてはいけない気持ちはありません。攻撃的な気持ちが湧きあがる自分を認め、許し、自分を責める気持ちを手放せば、自他を傷つける攻撃的な行動は消えていきます。

「子どもは、自分のようになってほしくない。気持ちを抑えこまないで、話してくれるように育てたい」
ご相談のお母様は、そうおっしゃいました。
だったら、いつも笑顔でいようとしてはいけません。
子どもは親の「言うこと」は聞きません。親の「すること」をマネして成長するのです。
自分は感じたままの気持ちを表現しないで、そのイライラを自他にぶつけてしまう生き方を見せながら、子どもに「気持ちを抑えこまないで、話して」と言ってもムダ。子どもは、「話せと言われても、話してはいけない」と思うだけです。(お母様ご自身が、そのように学習して大人になられたのかもしれません。)

子どもには、「怒ってる」も、「くやしい」も、「悲しい」も、ため込まないで表現してほしい。
そう思うのなら、まずはお母さんが、がんばって表現してください。
「子どものお手本になるため」と思えば、きっとできます。

そう申し上げると、涙を拭いてうなづかれたお母様の笑顔が印象的でした。

2014.8.21