年の終わりの「責め納め」 ~「普通」と「比較」にサヨウナラ~

地元の青年館で「後輩ママのよき相談相手になるための講座」というのをやっているのですが、先日その参加者から素敵な話を聞きました。


双子の子育てにてんやわんやの日々が過ぎ、今は高校生になったお嬢さんからお弁当に注文がついたそうです。
「ママのお弁当は、なんかいつも茶色っぽいよね。友達のはもっとカラフル」
「彩りを考えると、自然に栄養バランスがよくなるって習ったよ」

一応野菜とたんぱく質系のおかずのバランスは考え、多少は変化をつけるようにしてはいるけど、私はこれが精一杯なんです。

「ママはこれが限界。ほかの人がどうであろうと、うちはこれでいいの」と言うと
「えぇ~ 普通、『じゃあ、もっとがんばる』って言うものじゃな~い?」とお嬢さん。
「私はこれ以上がんばれない。他にすることもあるし、私なりに精一杯やっているから、うちはこれでいいの」

親子で大笑いしたそうです。
「いいな~」と思いました。

こんな家庭で育ったお嬢さんたちは、きっと自分を大切にして、生き生きとした人生を選んでいくに違いありません。

相談室では、ご自身を他の親御さんと比較して「もっとがんばるべきなのに、できない私はダメ」といった声を聴くことが少なくありません。

いつも自分を責め、イライラして、結局子どもや夫につらく当たってしまってはますます自分を責めてつらくなる・・・そんなループにはまってしまって、抜け出せない方も多いように思います。

「他の人はもっとできている」と自分を叱咤激励して、限界を超えて働いた末にうつ病になったり、過労死したり自殺したり・・・今年もそんなニュースが続きました。

《比較》 ほど人を傷つけるものはありません。
子どもを育てていると、つい「誰それは~できるのに」といった言葉を言いがちです。励ましや勇気づけのつもりで、実は子どもの心に「他の子のようにできない自分はダメなんだ」という信念(思い込み)のタネを植え付けているのかもしれません。
「向上心」を願ったはずの親の思いとは裏腹に、自己否定やコンプレックスに苦しむ子になっていくかもしれません。
子育てに《比較》は厳禁です。

「他の人がどうであれ、私はこれでいい」と言える子に育てるために、まずは自分が、
「他の人がどうであれ、私はこれでいい」と言える親でありたいと思います。

今年も残りわずか。
人と比べて自分にダメ出しするクセがある方は、ここらで「責め納め」をして、来年はもっと伸びやかな自分を目ざしてみませんか?

2016.12.14