自分を好きになるためのミニ・ワーク

3月9日、子育て中の親御さんと支援者対象の講演会で、お話をさせていただきました。
< 発達を「待つ」ってどういうこと? ~チャレンジする子に育てるために~ > というテーマです。

ここでは結論だけ書きますが、チャレンジする子に育てるコツは、ズバリ「親がラクになること」です。
ということで、会場の皆さんに「自分を好きになるためのミニ・ワーク」をやっていただきました。

二人組になって向き合います。
ひとりが自分のダメなところ、苦手なこと、よくないと思っていることを話します。
聴き手が「私は~が苦手な(つい~してしまうetc)○○さんが大好きです」と言います。

このコラムを読んでいるあなたも、ぜひどなたかと試してみてください。
セリフが決まっていて、「大好きです」と言われることが分かっているのに、言われると思いがけないほどうれしく、ホッとする感じがして、驚かれること請け合いです。

コンプレックスは、誰でも持っています。ダメなところ、ダメなことがあるのは当たり前。そういう部分も含めて、自分をそのまま丸ごと「好き」になれたら、子どものことも今ある姿をそのまま丸ごとOKにできて、「待つ」ことができる親になれるはず。

「待つ」って、結局子どもを信じるってことなのですね。信頼されているという無言のメッセージが伝わるから、子どもは自分を「信頼される価値のあるもの」と感じるのでしょうし、その基盤があってこそ「自分を磨き、より価値ある存在になろう」と努力するのでしょう。そういう努力には、幸福感という報酬がついてきます。
「どうしてできないの。もっと努力しなさい」とたくさん言われてする努力の基盤は、「できない自分はダメな子」というコンプレックスとの闘いになります。そういう努力には、もれなく「つらい気持ち」が付いてくる・・・コンプレックスをバネに、成功を収める人ももちろんいるでしょうけれど、何十年もつらい気持ちをかかえ、壊れそうな自分を守るために世間を攻撃してすごす人もいるのだと思います。

(2010年3月13日)