昨日の「子育ての相談をよりよく聴くための講座」のテーマは虐待でした。「怒りが湧きあがって止まらない。鎮める方法を教えて!」といった切羽詰まったご相談を受けた体験談が参加者から次々出てきて、このテーマの重要性を改めて感じた一日でした。

いつかテレビで紹介されたという「ソファーに横になる」「甘い飲み物を飲む」という方法や「鏡を見る」「その場を離れる」「10数える」など、よく言われる「とりあえずその場をしのぐ方法」もいろいろ出てきました。
そうした情報が役に立つこともあると思いますが、相談室では「教わったけど、カッとなった時にそんなことやってられない」とか「やっても全く効果がなかった」というお話を伺うこともよくあります。そして、怒りを抑えられない自分を責め、自分を叱ってますますつらくなるから、怒る原因を作る子どもに一層腹が立つ悪循環・・・

軽いやけどの痛みなら鎮痛剤でしのいでいるうちに自然治癒することも期待できますが、がんの痛みなら市販の鎮痛剤では抑えられません。専門医による適切な痛みのコントロールや、痛みのもとになっている病巣を可能な限り縮小したり取り除いたりする治療が必要なこともあるのと同じように、よく言われる方法では止めることができない心の痛みは「元から治す」ことが必要なのかもしれません。

怒りの感情は「仮面」ともいわれ、その後ろに不安や悲しみ、自尊心の傷つきや嫉妬、「置いてきぼり」の寂しさなど、様々な感情が隠されています。表面的には、目の前の「言うことを聞かない子ども」に怒りを感じているのですが、その元に、夫への不満や、子どものころ気持ちを認めてもらえなかった親への思いなどがくすぶっていたりします。
無意識にしまわれたそうした気持ちに気づき、書いたり話したりして出口を作ってあげると、痛みを元から軽減できるかもしれません。

2017.11.20