新型コロナウイルスの感染拡大予防のため緊急事態宣言が出て、もちろん皆でがんばるしかないのだけれど、ますますストレスがたまる日常が、家族間の攻撃的な行動につながらないかととても心配です。
気分転換に公園に行ったのはいいけれど、遊具で遊びたがる子に
「触っちゃダメ! そこにはバイキンがついてるよ」
ブランコから降りて、手を洗わないで走り出してしまう子に
「何べん言ったら分かるの!手を洗わなきゃダメ! 病気がうつって死んでも知らないよ」
思わずそんなセリフが、口をついて出てしまうことがあるかもしれません。
つい攻撃的な言い方をしてしまうのは、「自分がすごく不安だから」ですよね。
自分の不安を、子どもに感染させているかもしれないって気づいたら、反対方向から言い換える練習をしてみてください。
「しっかり手を洗ったら、もし見えないバイキンがついていたとしても安心だね」
自分が子どもだったら、そんな言葉のほうが受け入れやすい感じがしませんか?
「戸外遊びは、してもいい」と言われても、「感染が心配で子どもを叱ることが多く疲れるから、出かけないことにしている」という方もいらっしゃるかもしれません。
ずっと閉じこもっているとイライラがたまって、家に居てもささいなことで怒ってしまうことが増え、穏やかに接することができない自分を責めてますますイライラ… そんな悪循環にハマって、夫にも当たってしまったり
自分イジメをしていると、「私をこんなに苦しめる相手(イライラする原因をつくる子どもや夫)」に怒りがわいて攻撃的になってしまうのは、とてもよくある自然なことです。生き物の生理的な反応として身を守る態勢をとるため、交感神経優位になりますから。
そんなときは、ひとつ深呼吸をして、鏡の前に座ってみましょう。
そこには、毎日時々刻々、神経をすり減らしてがんばっているあなたがいます。
鏡の中の自分に、カウンセラーになったつもりで受容・共感・ねぎらいの言葉をかけてください。
「いろんなことが心配で、あれもこれもと一生懸命だからこそ、思い通りにならない相手についイライラしちゃうんだよね。大丈夫、私はあなたががんばっていること知ってるよ。完ぺきにはできないかもしれないけど、じゅうぶん努力していると思うよ。お疲れさま」
たとえばそんなふうに、「できない自分を責める言葉」を「できている自分を認める言葉」に言い換えてみたら、どんな気持ちになるでしょう・・・
自分を認めることに抵抗がある方も、いらっしゃるかもしれません。
認めようとすると、否定的な感情や強い不安がわきあがる方もいらっしゃるかもしれません。
子どものころ、周囲の大人からそうした承認のメッセージをいっぱいもらって育つことができなかった方かもしれません。
できないことを責められ、つらいことや悔しい思いをした経験がたくさんある方かもしれません。
周囲の大人が言うことを「鵜呑み」にして、「私はダメなんだ」と思うことにするクセがついている方かもしれません。子どもは、そうしないと生きていけない(大人に世話してもらえなくなったら、死んでしまう)から。
でも、この世の中に「完ぺきにできる人」は一人もいないのです。どんなにやっても「もっとできるはず」と感じるから。
今のあなたは、もう大人です。
完ぺきにはできない自分を認めても、ちゃんとご自身の力で生きていけます。
つらい環境を生き抜いてくれた子どものころの自分に、「ありがとう」と言ってみてください。
それを聞いた子どものあなたは、どんな気持ち?
聴かせてください。
あなたからのメールを、お待ちしています。
2020.4.8