誰でもやれるようなことはやれないで、誰もやらないことがやれる ~ニトリの会長さん、発達障害だからこその成功物語~

今日の朝刊(21.7.20朝日新聞)で、素敵な記事を読みました。

コマーシャルでよく聞くあのニトリの会長さんが「正真正銘の発達障害」で、だからこそ、人が考えつかないようなことが考えられるって。

先生の話は1分も聞けない、理解できない、漢字も書けないで、成績はいつもビリ。

でも、好きなことには集中できる。大きな壁にぶつかると苦しいけど、打ち破るたびに成長した。

自分が何が得意かは、いろんなことをやって、自分で見つける。人間一つくらいは何か「これ、いけそうだな」というのがあるはず。長所が見つかると、短所が隠れちゃう・・・

 

どの言葉もご本人の「いかにも」の実感だから、心地よくすぅ~っと受け取れました。

お子さんの障害の疑いで不安を抱えたり、診断を受けて落ち込んだり、そうした親御さんと日々出会う中で、「得意なことを大事にしてあげれば、明るい未来はある」というようなことをお話ししたことはたびたびありますが、幼児期の親御さんにはとうてい受け入れられないことだったかもしれません。

でも似鳥氏のような実例は、案外身の回りにいくらでもいらっしゃいます。

お子さんの苦手なことを心配して、「他の子」のようにできるようにさせようとすれば、「できない」という経験ばかり積ませることになってしまって、せっかくの長所が台無し… そんなことにならないように、親御さんの不安にていねいに向き合っていかなければと思います。

 

2021.7.20

コロナ禍の学校と子どもの心 ~黙食を「成長の機会」ととらえた小学生の言葉がすごい! ~

感染予防のための飛沫対策で、学校の給食は全員正面を向いて黙って食べる「黙食」。
小グループでわいわい「楽しく食べる」ことが勧められていた以前の給食風景を思うと、本当に「かわいそう」に思えたし、こんな状況が1年以上も続いて子どもたちの心は大丈夫かと不安に感じてもいました。ですが、そんな中でもしっかりと前を向き、成長している子どもたちの姿に触れ、勇気づけられました。

3月28日のNHK「おはよう日本」で、この1年を振り返る3年生の授業風景が紹介されました。
はじめに先生が出した話し合いのテーマは、「不満なこと」。
子どもたちの口から、コロナでいろんなことが制限された悔しさが次々にあふれ出します。

「そうだよね…」と、その思いを共有したあと、次に提示されたテーマが「成長したこと」。
素晴らしいことに、これもまた、次々に出てくるのです。
記憶が正確ではありませんが、

「できないからこそ、何ができるか、どうしたらできるか、一生懸命考えたから、いろんな知恵が出てきた」

そういった意見に続いて、一人の男の子が
「給食の時間、黙って食べている間にたくさん自分と会話した。それが成長につながったと思う」

というような発言をしたのです。

ハッとしました。
今ほど身近に多くの情報機器がなかった時代、私たちはボーっと自分と向き合い、自分と会話する時間がたくさんあった気がします。

現代の子どもたちには、そんな贅沢な時間があまりなかったのかもしれません。
周囲に友達や先生がいる安心感の中で、誰とも話さず、自分と向き合い、自分と会話する…

最近注目されているマインドフルネスに通じるものがあります。

こんなに制限があり、いやなことや不安なことがたくさんあった学校生活でも、口々に思いを語り合いながらこの1年を回想する子どもたちは、生き生きとしていました。

テレビを通してあなたたちに出会えて、うれしかった!
ありがとう!!

その成長を支えた先生方にも、心からの敬意を贈ります。
ありがとうございます。

2021.3.29