子育ては「うまくいかない」からこそ素晴らしい ~挑戦する子に育てるために、失敗から学ぶ親になろう~

「親」という仕事は、神様でも仏様でもない生身の人間(言うまでもなく不完全で、いっぱい間違いを犯す)が、本能的な生命力だけを持って生まれてきた赤子を「そこそこまっとうな判断ができる大人に育てあげる」という、とんでもなくむずかしいミッションです。
当然一人で抱えられるわけがなく、「受援力(他者に援助を求め、快くサポートを受け止める力)」が必須アイテム。私の領域で言えば、相談をしていただけることは「受援力のある方との出会い」ということになります。

他人に「相談をする」って、自分がうまくできていないことを話すわけだから結構エネルギーがいりますね。そこを踏み切る力(受援力)がある方と出会って、お話しを聴かせていただくうちに気づきが起こり、親御さんご自身の力で望む方向へ進み始める、そんな場に立ち会わせていただけるのは本当に幸せなことです。

失敗もあります。大事なサインを私が受け止めそこねたり、ちょっとしたニュアンスが相手にうまく伝わらなかったり、未熟ゆえの早とちりや勇み足の失敗も。

そんなとき、欠かせないのがスーパーヴィジョンです。
自分がした相談の過程をスーパーバイザー(カウンセリングの師匠)とともに振り返り、なぜそうなったのかチェックして、修正する「スーパーヴィジョン」を受けることが、私の支えとなっています。

失敗について、成功をおさめた方々の名言がたくさんあります。
有名なのはトーマス・エジソンの電球の発明物語。

電流が流れると安定して光る素材を求めて様々な物を試し、「失敗」を重ねた末の成功に対して「どうしてそんなに失敗しても続けられたのか」と問われて

「私は失敗などしていない。一万通りのうまくいかない方法を発見しただけだ」
と答えたとか。

スポーツでも楽器でも、たくさん練習する人がうまくなる。
うまくいかないことを何度も何度もやって、考えて、コーチに相談して、修正ポイントを見つけてまた何度も試して・・・失敗から学んで、修正できる人が上達するんですよね。

だから子育ても、失敗してこそ修正するチャンスが生まれ、失敗するほど上達する。
一人でやるより、コーチがいた方がラク
そんなふうに思えたら、受援力が高くなるのでしょうね。

子育てに失敗はつきもの。もちろん私の子育ても、失敗と後悔の連続でした。
子育ては「失敗したら取り返しがつかない」と思っていらっしゃる方も多いのですが、そんなことはありません。
気づけば、いつからでも修正できます。
親が変われば、子どもは必ず応えてくれます。
大丈夫!

「失敗しても、修正して成長できる私っていいじゃん」と思える親なら、子どももきっと、失敗を恐れず挑戦する子に育つんじゃないのかな。

2020.7.21