イチローの会見に感動 ~この言葉を子育て中のママたちに贈りたい~

4000本安打達成、おめでとう!!

インタビューに応える彼の言葉のひとつひとつ、確固たる信念をさりげなく淡々と語る表情、どれも素敵です。


中でも印象的だったのは、

「4000本のヒットを打つには、8000回以上は悔しい思いをしてきている。それと常に自分なりに向き合ってきた事実はあるので、誇れるとしたらそこじゃないかと思いますね」

という言葉です。

私は特に野球ファンというわけでもありませんが、イチローをめぐるいろいろな逸話にはずっと関心がありました。
きっかけは新聞で読んだ仰木監督の話です。当時「正しいフォーム」からかけ離れていた振り子打法を彼独特の技術として認め、あえて「正しいフォーム」に修正させなかったことが、その後の彼の活躍につながったのだと。

以来、本来はこのように打つべきだといった観念論とか、他の選手がどのようにしているかとか、そういうことにとらわれることなく自分を信じ、黙々と自分なりの努力を続ける彼の隠れファンとなりました。そして3人の子どもを育てていた母親としての自分は、仰木監督のようでありたいと強く思ったものです。

乳幼児のお母さん対象の講座に伺うと、「子育てはこのようにするべき」という情報に振り回され、「そのようにできない自分」を責めてつらくなっていらっしゃる方によくお会いします。

「あのイチローだって打率は3割台。6割以上は失敗なのだけれど、めげずに振るから3割ヒットが打てるのですよね」
と、いろいろなところで話したり書いたりしてきた私ですが、今回の4000本安打達成の会見でのコメントを聞きながら、我が意を得たりと本当にうれしく思いました。

子育てに唯一の正解はありません。すべての人に共通する「正しい育児」が、あるはずがありません。
「あるべき育児」の情報は参考になりますが、そのようにしなければよい子が育たないわけではありません。
自分の置かれた環境や事情の中で、自分に一番しっくりくるやり方を自分で見つけていけばいいのです。数えきれない失敗を重ねながら、その失敗にきちんと向き合い、次に向かって自分なりの方法で努力できたら、それは親としての「誇れること」になるに違いありません。

失敗は、いくらしてもいい。命さえあれば、何度でもやり直せます。

「自分を信じて、失敗しながら成長できる子」を育てるために、たくさんの失敗と真摯に向き合ったことを誇れる親でありたいと思います。
子どもは親の「言うこと」は聞きませんが、親がすることや親の生きる姿勢はよ~く見ていて、まねするものですから。

2013.8.23