子どもの「なぜ?」「どうして?」に、ウソを言ってはダメ?
ある研修会で出たご質問です。
一日中「なんで?」「どうして?」と聞かれて、まいっています。余裕があるときにはなるべくちゃんと答えるようにしていますが、かまいきれなくてイライラしたり、無視してしまうときもあります。面倒になって、ついウソを言ってしまうこともあって・・・
お疲れ様です。
忙しくても「なるべくちゃんと答えよう」と一生懸命なお母さん、ステキです。
何か質問されると、正しい答えを言わなければならない気分になるのは人情ですが、子どもは質問そのものに答えてほしいわけではないこともよくあります。
「なんで買っちゃいけないの?」の中身が、「買えないのはわかっているけど、ほしいなぁ~ あったら楽しいだろうなぁ~ ○○ちゃんがうらやましいなぁ~」だったり、
「どうしてパパはお仕事に行くの?」が、「パパともっと遊びたいな。ずっとお休みだったらいいのに」という気持ちの表現だったり・・・
こういう質問には、理屈で「答える」より気持ちで「応える」ほうが子どもの満足感を得られます。
「そうだねぇ~ 買えるといいんだけど・・・ まだ~してないしなぁ~」とか
「お仕事行かないでほしいなって思うの? ママも、もっとおうちにいてくれたらいいなって思うことあるよ」とか・・・
もっと幼いころ、「マンマ」の一語が「ご飯だ、ご飯だ、おいしそう」にも「おなかがすいた、早く、早く」にも「いいにおい、お昼ご飯はな~に?」にもなったのと似てるかな。
学問的・科学的な質問だったら、気づいたことをほめて、ママの正直な気持ちを言うのもアリです。
「空気は透明なのに、どうして空は青いの?」
「そうだよね、どうして青いんだろうね。不思議だね~ ママもわかんない。けど、そんなこと思いついたやっちゃん、すご~い! 本で調べたらわかるかなぁ 今度パパに聞いてみようか」
そんなふうに「会話を楽しめばいい」と思えたら、ちょっと気がラクになりませんか?
「時にはウソだってOKです」と申し上げると、ご質問のお母さんは、
「それを信じてしまったら困ると、主人に怒られます」とおっしゃいました。
そうですね、信じてもらっては困ることもあります。
でも、OKのこともいっぱいあるのではないでしょうか?
絵本やごっこ遊びなど、子どもはファンタジーの中で生きています。幼い間は信じていても、いずれ自然とウソとホントを見分けていきます。熊はしゃべらないし、プレゼントをくれるのはサンタさんじゃない・・・
「どうして雪は冷たいの?」「う~ん、宇宙には大きな冷蔵庫があるのよ、きっと」とか・・・
「やっちゃんはどうしてだと思う?」と聞いて、想像力をかきたてるのも楽しいと思います。
もちろん「ごめん、今は考える余裕がない。ちょっと待って」でも、「今度、日曜日に調べてみようか」でもかまいません。
ママとお話したい気持ちを受け取ってあげられれば十分です。
2013.12.27