ノーベル賞の大村さんの言葉がすてき! ~失敗を恐れない子を育てるために失敗を恐れない親になろう~

大村智さん(あえて「さん」づけにします。そのほうが喜ばれそうな気がするので)、すてきですね~
インタビューに応える言葉の一つひとつから伝わってくるお人柄に、ただただ感激してしまいました。

一番心に残ったのは、成功した人は失敗を語らないけれど、実は成功の何倍もたくさん失敗している。失敗ばかりなのだけれど、ごくたまにうまくいくときがあって、そのときの達成感を経験すれば、失敗は怖くなくなる。あともう少し、もう一晩と、続けられる・・・正確な言葉は覚えていないのですが、そんなお話。
何億という細菌を一つひとつ調べて、その中から病気を治す物質をつくる菌を見つける、そんな気の遠くなる作業を何十年も続ける根気って、本当にすごい!

「若い人に、『成功した人は、たくさん失敗した人なんだよ』と教えたい」とも、以前おっしゃっていたそうです。
エジソンが電球の試作に一万回以上失敗しても、「私は失敗などしていない。うまくいかない方法を一万通り見つけただけだ」と言ったという逸話と似ていますね。

私の子育ても、そんな感じだったのかな~
子どもを乱暴な口調で傷つけ、あとで落ち込んだことは数知れず、それでもなんとか投げ出さないでダメなりに「親」を続けられたのは、ごくたまにうまくいった(子どもに心から共感できたと思えた)ことがあったからかもしれません。

子どもに失敗させないために、先回り先回りしてうるさく言ってしまうこと、よくありますね。
今日も、「幼稚園バスの時間に間に合わなくなりそうなのにノロノロするのでつい言葉が荒くなり、最後は親が強引に身支度をさせてしまったら、それが気に入らなくて怒りまくり・・・どうしたらいの?」とご相談がありました。

ノロノロしても子どもに任せて、バスに間に合わなくなることも大事な経験かもしれません。
ただ、失敗を恐れない子育てをするときに、ぜったい外せない大事なことがあります。

叱らず、いやみも言わず、「経験から学んで、自分でうまく時間調整できるようになる」と、わが子を心の底から信じること。

子どもは親の「言うこと」からではなく、「すること」や「雰囲気」から、ホンネのメッセージを受け取ります。ですから心の中で「この子はできない」と思いなが表面的に任せても、任せるふりをしているだけだということは子どもに伝わってしまいます。
子どもはそのメッセージに反発して「できないふり」をして見せるかもしれません。

親が子に、「失敗してもいい。経験を重ねて、必ずできるようになる」と心の底から信じて任せられないのはなぜでしょう・・・
子どもが失敗したら、親である自分はどう感じるのでしょう・・・
遅刻しそうな子どもを見ながらイライラしているとき、そのイライラの中身はどんな感情なのでしょう・・・

「失敗する子どもの親」としての自分を、子育てを失敗しているように感じて叱っていませんか?
自分が「遅刻しないようにちゃんと準備させられない親」になりたくないのに、子どもがノロノロするから、子どものせいで自分がダメな親になるのがつらいから、腹が立つのではないでしょうか?

子どもの失敗は子どもの責任です。
親は親としてするべきことをしたのなら、子どもがするべきことをしないで遅刻しても親の責任ではありません。

失敗は、してもいい。たくさん失敗すれば「たまにうまくいく達成感」に出会えるので、失敗を恐れずチャレンジしつづける力がつきます。
もちろん親自身も、たくさん失敗して「たまにうまくいく達成感」を味わいましょう!
子どもに、本心で「失敗してもいいんだよ」と言える親になるために。

2015.10.7