ノーベル賞の本庶さんに、意欲満々の幼児の姿が重なった!

本庶さんのノーベル賞受賞、心からお祝い申し上げます。

インタビューに応える本庶さんの言葉はもちろん、その研究姿勢やお人柄を語る周囲の方々の話を読んで、ふと「末は博士か、大臣か」という言葉が頭に浮かびました。

このニュースを聞いたのは、保育園の保護者の勉強会で講師を務めた翌日のことです。
「幼児期のしつけって、どこまでどうする? ~親も子も、気持ちを大切にすることから始めよう~」
というテーマで、大人の役割は二つ。

  1. 「自由にのびのび、したいようにしてよい領域」を保証するために、「ダメなものはダメ」と許されることの境界線をしっかりと示す(いわば“牧場の柵” を作る)こと
  2. 思いついたことを試し、何回でもチャレンジしたり気が済むまで探求したりできるように、極力“広い牧場”を作ること

そんな話をしました。

止めようもない成長のエネルギー、並々ならぬ意欲や好奇心、少々怒られてもめげることなく、気が済むまでやり続ける情熱、そんな幼児の姿を「素晴らしいもの」と受け止めて、「言うことを聞かなくて困る」「どうしたら止めさせられるのか」と悩むより、「どうしたら子どもがしたいことをさせてあげられるか」を考え、ダメなことを極限まで減らす工夫をしたほうが、親も子もストレスが減ります。

そういう子どもの姿を、昔は「末は博士か、大臣か」と言って、楽しみにする余裕があったのではないでしょうか。

まさに、本庶さんです。

幼児が本庶さんみたいなのか、本庶さんが幼児みたいなのか、まあどちらにしても素敵なことですよね。

「しつけができない親」という世間の評価におびえて、ついつい牧場を狭めてしまって、親も子もイライラをため込んでいる最近の子育ては本当に辛そうです。

おおらかな「社会の目」が、将来、偉大な仕事を成し遂げる人を育てることにつながっているのかもしれません。

2018.10.6