こども未来財団発行の月刊誌「こどもの栄養」をご存知ですか?B5判50ページほどの冊子ですが、食のテーマを中心に広い視野で保育・子育てに関する情報や実践例が満載の楽しい雑誌です。 この雑誌に、今年4月号から1年間の予定で、育児相談の連載を書かせていただいています。
初回4月号のテーマは、肥満。 肥満児や肥満児の親御さんは、外見や食生活がうまくコントロールできない自分に対するコンプレックスを持っていることが多いのではないでしょうか。自己肯定感が低い人に改善の努力を促す指導をすると、「ダメな自分」に執着してますます自分を嫌いになり、逆効果になりがちです。私たちは、「大切なものだから、このように扱いなさい」とどんなに指導されても、嫌いなものは乱暴に扱うものです。まずは「自分を好きになる」こと。そのためにどんなサポートができるか、そんなアイデアを書きました。
育児相談のQ&Aは、すでにたくさんの本、雑誌、電話やメール、インターネットの掲示板など、あらゆるところにあふれています。最初にこの執筆依頼を受けた時、そうしたものとは少し違うスタンスのものを書きたいと思いました。「親子の気持ちに応える」というサブタイトルは、そんな私の思いを込めた表現です。 育児相談の多くは、ちょっとした情報やアドバイスの提供で解決するのかもしれません。そういうことは調べればどこにでも書いてあるので、この連載では「育児はこうあるべき」という知識は脇へ置いて、「相談を受ける人(保育者など)」「相談をする人(親など)」「子ども」、それぞれの気持ちの部分に焦点を当てています。
アドバイスをしても、なんだかうまくいかない・・・そんなとき、「相談」という営みのコツをコンパクトに収めたこの記事が、きっと役に立つと思います。機会がありましたら、ぜひご一読ください!
[既刊のテーマ]
4月号 肥満は万病のもと? ~「自分が好き」へのサポート~
5月号 偏食は子どものうちに工夫して直すべき? ~信頼して任せてこそ将来の健康につながる~
6月号 紫外線、浴びたらダメ? ~塩梅(あんばい)の発想でリスクとほどよいお付き合い~
7月号「こまめに水分」というけれど ~子どもの欲求を見きわめ尊重する~
8月号 小食・食べる意欲が乏しい子 ~もっと食べさせる工夫をする前に~
9月号 野菜ジュースやサプリメントで、完璧な栄養? ~理想論と上手に付き合う~
10月号 心のサインとしての腹痛 ~親だってて痛い~ 11月号 便の心配ごとが、ずっと続くとき ~いつも「大丈夫」とはかぎらない~
(2010年10月23日)
次年度も続きます!
うれしいことに、この連載がもう1年続くことになりました! 毎月この文章を書くことは、私にとっても考えを整理したり、正確を期すためにガイドラインなどを調べなおしたり、いろいろな意味でとてもよい経験でした。スラスラと筆が進んだ月も、苦しんで書いた月もあります。好きな原稿も、少し悔いが残った原稿もあります。いろいろありましたが、いただいたチャンスを大切に、次年度も精進いたしますのでよろしくお願いします。
既刊のテーマ(上記のつづき)
12月号 アレルギー対応をめぐる混乱とクレーム ~親は自分を責め、不安とたたかっていることが多い~
1月号 男の子は背が高い方がいい? ~今あるがままの子を認めてこそ、幸せな未来~
2月号 風邪に、薬はいらないって本当? ~あれこれ、薬の疑問~
3月号 一緒に食べないと得られないものって、なに? ~食卓には、幸せに生きる力を身につけるチャンスがたくさんある~
(2011年3月10日)