都会育ちの私は、実は虫を触ることができません。
見ているだけならまあ大丈夫ですが、手で持ち上げたり、乗せたりというのは、「絶対ムリ」と思っています。
で、箱庭のパーツ集めの話の続きなのですが、友人知人に「いらないおもちゃがあったらご寄付を!」と声をかけて、おかげさまでいろいろな物が集まりました。でも、とても素敵なもの、いわば「健全な」おもちゃが多くて、もっとヘンなもの、気持ち悪いもの、怖いものなんかが足りないかなと思うのです。
箱庭って、ただ目に着いたものを置きたいところに置くだけなのだけれど、作り終えると何となくホッとしたり、スッキリしたり・・・心の中にあった何かがそこに出せた感じが、なかなかGood!なのです。「表現する」って、絵でも音楽でも演劇でもダンスでも同じだと思うけれど、体内にあるものを「出す」ことだから、それだけでカタルシス、なのでしょうね。
そのパーツをそこに置こうと思ったとき、自分の中の無意識が何かのメッセージを発したことに間違いはないのだけれど、それがどんなメッセージなのか、心理的にはどんな意味があるのか、自分でも分からない。頭では分からなくても、心の中の何かが動いて、「なんとなくいい感じ」に行き着く、そんな感じです。
私の無意識の中には、ドロドロだったり、気持ち悪かったり、恐ろしい魔物みたいなものだってあるに違いないのだから、そういうパーツもあったほうがきっといい。それで、お正月に帰ってきた息子に、「持ってない?」って聞きました。彼は持っていなかったのですが、次の日にいろいろ買ってきてくれたんです。感激!
いざ袋を開けてみると、ヘビ、ムカデ、いもむし・・・自分で欲しがったものなのに一瞬ゾッとしました。ゴムのおもちゃって分かっているのに、触るのははばかられてそのまま袋へ戻し、数日がたち・・・意を決してもう一度開けました。ひとつひとつ取り出して手の上に乗せ、おそるおそる愛撫・・・ん? 意外といけるかも・・・
おどろおどろしい気持ちも、大切な私の一部です。
(2012.1.4)