認知療法に学ぶ「失敗と罪悪感」 ~自分を許すおけいこ~

「実践、心のおそうじ講座 ~すぐ使える認知療法・催眠療法、イメージ・ワークとアートセラピー」という勉強会に参加しています。

講師の前田節子さんは、英国で心理臨床を学ばれたとっても素敵な方です。(ホームページhttp://icare.dr-clinic.jp/

認知療法は最近いろいろな場面で取り上げられていますが、スポーツ選手が「勝ちたい」と思うのではなく、「私は勝って、表彰台に立っている」といったイメージをすでに起こったこととして脳に刷り込むという手法も、この理論がベースになっています。

全6回のうち5回目を終えたところですが、大変刺激的でたくさんの気づきと学びがあります。
最近、自分が不当に扱われているように感じる状況があって、ちょっとつらくなっていました。そんな中で、伝える必要があると思って伝えたことがうまく伝わらず、別の人がとばっちりを食らって攻撃されたと思われる出来事が起こりました。
「私のせいだ」と苦しくて、自分を責める日が続きました。

今思うと、相手に対する怒りの感情があったために、それが相手に伝わってしまったのでしょう。攻撃的な表現にならないようにずいぶん気をつけて伝えたつもりでしたが、攻撃的な気持ちは確かにあったから。

前田さんのテキストには
「すべての感情の中で一番悪影響を及ぼすのは怒りです。これは、怒りは隠れた感情だからです。罪悪感とは、自分に対して怒りを感じることですし、憎しみは人に対する怒りです。自分をかわいそうだと思う時に実際に感じるのは、自分が不快に感じる状況や人々に対する怒りです」と記されています。
講座のあとで読み返して、「ああ、まさにこれだ!」と思いました。

「罪悪感とは、過去に起きたことに対する気持ちです。過去においてなにか過ちを犯してしまった場合、『悪かった、すまなかった』と思うのは当然ですが、そのことに対して罪悪感を持つ必要はありません。ほかの体験と同じように、その過ちがあってあなたは少し変われたのかもしれません。その過ちを犯したときと同じ人ではないのです。過ちを認識し、二度と繰り返さないと思った時に、前に進んでいるのです。(中略)後悔したのであれば、前よりも少しはよい人になったのです。あなたはもう、間違いを犯した人と同じ人ではないのです」

言い古された言葉ですが、過去と他人は変えられません。
罪悪感は自分への攻撃であり、他者への攻撃的な気持ちの反映です。自分が自分を攻撃している限り人間関係の改善は望めないので、まずは自分を許すことが、今の私にできる一番大切なこと・・・

「私は、私を許します」そう言ってみて、初めはかなり抵抗がありました。「許しちゃダメでしょう!」という声が、上の方からかぶさってくるのです。

肯定的な認知を刷り込むスクリプトを繰り返し読んでいるうちに、言えるようになりました。自分に対する怒りの感情を、今はコントロールできる感じがします。

(2012年8月19日)