助けてといえない 私の子育ては・・・

今日(1月21日)のNHKクローズアップ現代は、職を失い路上生活となった男性の話の続編「助けてといえない30代 胸中は」でした。

前回の放送に多くの反響があり、「こうなったのは自分のせい」「すべては自分が悪い」「自分の努力が足りない」と自分を責めて、親にも友達にも相談できない若者が多いそうです。誰にも助けを求めないまま餓死したケースもあったとのこと、胸が詰まる思いです。虐待を止められず苦しんでいる方々も、助けてと言えない30代が多いのかもしれません。

実は私も最近、成人した息子のことで心配ごとを抱えています。たいへん困った状況になっているのに、私は何も知らなかったのです。ひと言の相談もしてもらえなかったという事実に、愕然としました。先日スーパーバイザーを訪ね、その話を聴いていただきました。自分の問題を解決しておかないと、相談者の話をきちんと聴くことができません。

「いったい私は、どういう子育てをしたんだろと思って・・・」
「どういう子育てをなさったのですか?」

先生の瞳がほほえんでいます。ハッとしました。
そうです。悩み悩み、それでも私なりにがんばってやってきたじゃない・・・失敗はたくさんしたし後悔もいっぱいあるけど、そのつど軌道修正して、そこそこにはやってきた。そんなにヘンなことはしていない・・・
そう気づいてみると、「彼を信じよう」という思いが込み上げて、少し気持ちが落ち着きました。

相談者の力を信じることは、相談の基本です。そして相談者を信じる力は、支援者が自分を信じる力をたくわえてこそ手に入れられるのだと思います。

(2010年01月21日)